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見込みの甘さが露呈

一見、順調に進んでいるかに見えた今回の家作りですが、実は思わぬところで見込みが甘いことが露呈しました。
こういうところではやや公言しにくい話ですが、それは資金計画でした。
要するに住宅ローンの申し込みですね。

のさっく家のメーンバンクである某銀行にローンの事前照会をしていたのですが、なんと融資を断られてしまったのです443

それはこんな理由からでした。

建築家の家を建てる際に、のさっく家のように土地を持たないところからスタートすると、以下のタイミングで資金が必要となります。

  1. 設計監理費-1【建築家へ】(請負契約時)
  2. 土地代金【土地売主へ】(土地購入時)
  3. 設計監理費-2【建築家へ】(基本設計完了時)
  4. 設計監理費-3【建築家へ】(実施設計完了時)
  5. 施工費-1【工務店へ】(請負契約時)
  6. 施工費-2【工務店へ】(上棟時)
  7. 施工費-3【工務店へ】(外装工事完成時)
  8. 施工費-4【工務店へ】(竣工時)
  9. 設計監理費-4【建築家へ】(最終設計料)

土地を購入してから、建築家がその土地にしっかり合うよう考えて、基本設計に入ります。一番大切なこのプロセスに納得のいくまでじっくりと時間をかけるには、竣工までおよそ2年程度かかるというのが一般的、らしいです。
また、建築家や工務店へは、業界の慣習により何回かに分けて支払いを行うルールがあるようです。

このようなことに対応できない、と某銀行は言ってきたのです。

 
某銀行の言い分は、
「土地を買ってから一年以内に竣工し、建築完了届けを出してください。」
「建物分の融資決済は、建築完了届けの際(登記時)にしか実行しません。」
でした。

2点目はつなぎ融資の利用でなんとかなりそうでしたが、1点目は無理です。
設計だけでも一年程度の期間がかかるうえに、施工にも半年以上かかります。
基本設計や実施設計に期間制限を設けるのでは、建築家にお願いするメリットは半減してしまうでしょう。

やむなくのさっくは某銀行を諦めることにしました。
しかし、そうなるとどこにローンをお願いすれば良いのか。
Eさんに紹介してもらった某銀行の担当(担当の方自体はとても良い方でした)の話では、都市銀行はだいたいどこも同じ考え方らしいけれど、地方銀行では柔軟に対応してくれる可能性もあるとのこと。

今までは土地や建物のことばかり気にしていましたが、一番肝心な資金計画が崩れるとそれどころではなくなります。

「えらいこっちゃ。」
急に焦るのさっくでした。

救世主、あらわる

ところがここに三人の救世主があらわれます。
K不動産のEさんとKさんに、H社のTさん。

この三人がのさっく家の窮状を知り、それぞれのツテを総動員して、相談に乗ってくれそうな銀行をいくつかあたってくれたのです。
そして住宅ローン担当の方に、あらかじめある程度の話をしてくださったのです。
これはそれぞれのお仕事の範囲を超えています。
…本当に涙が出るほど嬉しかったです259

そしてお二人が事前に話をしていただいた銀行を、毎週末にのさっく夫婦で相談に回りました。
全部で6行、回りました。毎回、同じ話をして、断られる。本当にしんどかった時期です。

でもでも、なんと某地銀において、「土地取得から建築完了届けまでの期間は、2年以内であればよい」と言われました! ラッキー。

とりあえずはほっと安心すると同時に、
課題その2の
「建築家や工務店に支払うタイミングで建物分の融資を受ける」
に対しても、金利が高い「つなぎ融資」に頼るのではなく、本来の住宅ローンを利用したいと考えました。

こちらは非常にハードルが高かったです。
一言で言うと、当時の経済情勢が悪すぎたのです。
急速に進行している不動産・建築業界の深刻な不況のあおりで、工務店が大小問わず毎日のようにバタバタと倒産していました。

「こんな時期に、建築確認も完了していない建物に対して中間金を融資するのはムリ。」
と、銀行からも言われてしまいました。

ある銀行では
「1年前だったら、なんの問題もなくお貸しできたんですけどねぇ(フッとため息)456。」

…でもデモ、今は一年前じゃないんですぅ。

ただ、別の銀行は
「財務力のある工務店に依頼する」
ということであれば、なんとか相談に乗れないことはない、ということでした。
ただし、「財務力のある工務店」とは例えばどこの工務店なのかという点に対しては、
「保証会社が首を縦に振るところ」
ということで、結局は基準を示してもらえませんでした。

負債は施主ののさっく家がかぶる

一方で、一生懸命に中間金融資の必要性について説明するのさっくを見て、銀行の担当が言ったことばが忘れられません。
「万が一、工務店が倒産して工事が途中でストップした場合、負債は施主ののさっくさんがかぶることになるんですよ。」

冷静になって考えてみれば、まったくそのとおりだと思います。
ただ、倒産している工務店がある一方、良い仕事をたくさんやってきちんと儲けている工務店もいっぱいあるはず。
工務店を選ぶ際にはそういう視点も必要になるな、と感じました。

ここで少しだけご注意。
この文章を読まれた方には、銀行の対応が悪かったように受け取られたかも知れません。
でもぜんぜんそんなことはなかったですヨ。
どの方も懸命にこちらの説明を聞き、その上でその銀行の方針の範囲内で最良の手法を探ろうとしてくれました。
「ウチはムリだけれど、○○銀行ならなんとかなるかも知れないんで、相談されたらどうですか。」
などと、こっちがびっくりするようなことを口にする方もいるくらいでした451
こういう素晴らしいローン担当を紹介してくれた三人の救世主(K不動産のEさん、Kさん、H社のTさん)に感謝します。

とはいえ、なんとかメドがついてきたので、ほっと一安心。
土地を持たない者が建築家の設計する家を建てる時の最大の難関は、結局、資金計画なのでしょうね。

融資してくれる銀行を探している間は、マンション売却の広告を一時的にストップさせていました。
買い手がついてしまってから融資が受けられないってことになると、とんでもないことになりますからね。
せっかく売る気まんまんだったKさんの出鼻をくじいてしまっていました。

融資元のメドがついたところでついに広告解禁284
いよいよ「建築家と家を建てる!」プロジェクトはようやく実行段階の一歩目を踏み出すことになったのです。


仮住まいを探す

こういうこともやる一方で、マンション売却後に一時的に仮住まいするための住みかも探す必要がありました。
土地を買う場所はもう生駒市と決まっています。
ここでまたEさんに賃貸の担当を紹介してもらって、その方に賃貸マンションをいくつか見せてもらうことにしました。
※ホントにドラエもんのポケットのように、何でもやってくれるEさんです。

賃貸の担当者に連れられて、3軒ほど賃貸マンションを見て回りました。
60㎡ていどの広さで家賃が6万円~7万円程度ってとこでした。
大阪市内よりはだいぶ安いのが嬉しい。

ひとつだけ賃貸戸建ても見せてもらいました。
戸建てですが家賃はマンション並み。
今回は戸建てに住み替えるので、賃貸でもできるなら戸建てが良いなとここを本命と考えていました。

ところが、ここはなかなか凄かったです。
築30年。
なので内装が古いのは当たり前です。

ただ、お風呂がイケてなかった。
細かな青いタイル貼りの大きな浴室で、天井が不必要に高い。
そこに昔の四角い小さな浴槽。

いかにも寒そう447
とてもじゃないですが、暖まりそうにありません。
これではのさっく妻が首を縦に振りません。

この日に見た中では「築31年」のマンションが一番、良かった感じでした。
古いけれどきちんと手入れされていて、建物もしっかりしていました。

ただ、まだマンションが売れていませんから、今はまだ契約までは進めません。
とりあえずはなんとかなりそう、という感触だけではしっかり得て帰ることができました。

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