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そもそものはじまり

よくあることですが、家を建てようと思ったそもそもの始まりは、拍子抜けするほど簡単でした。

私たちのさっく夫婦はこれまで、あまり「お金を貯める」ということを気にかけていなかったのですが、ある時さすがに
「このままではイカン258
と、ほぼふたり同時に考えるようになりました。

気にし始めると、節約すべき事項は二人の周囲にいくらでも転がっていました。

  • 食材は週に一度まとめて買う
  • お弁当を作る
  • 風呂の残り水を洗濯に使う
  • 年会費の高いクレジットカードを解約する…

ひととおりの節約術を実行しつつ、「節約本」にも熱心に目を通していました。
そのうちの一冊である丸山晴美さんの節約本に、なぜ丸山さんが節約に目覚めたのかが書かれてありました。

ある日丸山さんは住宅展示場のモデルハウスを見にいったそうです。
そこで見つけた家に一目惚れした丸山さん。
でもそこのハウスメーカーのセールスマンは、20歳台前半でお金がなさそうに見えた当時の丸山さんにきちんとした応対をしなかったそうです。

がっかりしながらも「お金を貯めていつかは家を買ってみせる!」と決意した丸山さんは、それから節約の道をぐんぐん突き進むようになりました。

と、書いてありました。

「これ、使えるやん284」(←すみません、関西の人間です)
とその時のさっくは思いました。
「夫婦二人で住宅展示場に行って、家が欲しくなってしまって、もっと節約しよう!」
と。

この程度のいい加減でその場限りの思いつきが、後々までずっと尾を引くとは、そのときの二人には知るよしもありませんでした。

のさっく夫婦、住宅展示場へ行く

さっそく次の日曜日、のさっく夫婦は住宅展示場に行きました。

とは言っても、住宅展示場にはふたりとも生まれて初めて行くうえに、家に関してなんの予備知識もない二人ですから、たくさんあるモデルハウスのどれに入ったら良いかもわかりません。
もう適当に手前から順に、外観が良さそうなモデルハウスに行き当たりばったりで入ってみました。

その中でのさっく夫婦はHハウスに出会ってしまいます。
それまでは特に
「おぉ、モデルハウスだけあって、お金かかってんなぁ」
程度だった二人ですが、ここは良かった。

家の真ん中に中庭があって、シンボルツリーが植えてありました。
「ここで犬が飼いたい… 子供を遊ばせたい… 」

キッチンがぴかぴかのアイランド型でした。 
「ステキ… 使いやすそう… 
のさっく嫁が目を潤ませていました。

しかもツボを心得た抜群の営業トーク攻撃。
そうです、Hハウスを出るときには、ふたりとも家が欲しくなってしまったのです!

「学研奈良登美ヶ丘」駅に降り立つ

「まぁまぁ、落ち着いて落ち着いて。とにかく情報を集めよう。」
常に基本からスタートするのが好きなのさっくは思いました。
コンビニやら駅やらから近畿圏全地域分の「タウンズ」をもらってきて、じっくりと眺めてみました。

家を建てる、もしくは買うと言ってもそれはどこで行うのか。
路線図を真剣に検討するのさっく。

知らないうちに「近鉄けいはんな線」という新線が通っていました。大阪メトロ中央線につながっていて、とても便利そうです。しかも終点「学研奈良登美ヶ丘駅」の徒歩圏に新築戸建てが出ており、なんとか手が届きそうです。
また駅徒歩圏にある中古戸建ても案外、手に入りそうな金額です。

インターネットでこの駅周辺の物件に片っ端から資料請求をかけて、その資料をカバンに詰め、9月28日(日)には生まれて初めてこの「近鉄けいはんな線」に乗ることになりました。

期待に胸ふくらませてけいはんな線の終点に降り立ったのさっく夫婦。
「駅がキレイでイイわ~。」
と、のさっく嫁はなぜか駅周辺の風景をがんがん撮りまくっています。    

しかしここから徒歩の新築戸建てにはかなりがっかりしました。
「先週見た住宅展示場のモデルハウスと全然グレードがちゃうやん!
…今にして思えば当たり前なのですが、その時ののさっく夫婦は
「新築住宅=モデルハウス」
と思いこんでいたのです。

がっくり肩を落として駅まで戻ってきた二人。
しかし再度気を取り直して中古戸建ても内見しようと、資料請求をしていたK不動産営業所に立ち寄ることにしました。

 
ここで二人は、今回の家探しの前半戦においてもっとも重要な役割を演じてくださったEさんと出会うことになります。
思えば資料請求をかけて、一番最初に資料が届いたのがK不動産のEさんからでした。

Eさんと出会う

アポ無しで営業所に訪れたので、Eさんは他の来客と応対中でした。そのてきぱきとした誠実な応対ぶりは少し離れた二人のテーブルにも聞こえてきます。
「詳しそうで、信頼できそうな人やねぇ。」
と二人で話をしていました。

その来客が帰り、僕らのところにやってきたEさん。
このあたりには初めてきたこと、まだ不動産を探し始めたばかりで住みたい場所がどこかも決まっていないこと、中古戸建てだけではなく新築も探していることなどなど、要するになんにも決めていないし何にもわかっていないことを一生懸命話すのさっくに
「よくわかりました。個々の物件をみてもらうより先に、きょうはまず街をご案内して雰囲気を掴んでもらいましょう。」
と物件資料の説明を一切しないで、ふたりを車に乗せる遠藤さん。

駅周辺の住宅地をひとめぐりしました。
ポイントポイントで遠藤さんの的を射た説明が入ります。

  • 「このあたり古くからあるどっしりとしたお屋敷街。新しい人はやや入っていきにくいかも知れません。」
  • 「こっちは新興住宅地で、若い夫婦がたくさん住み始めている街です。明るい雰囲気ですね。」
  • 「ここは古い住宅地だけれど、利便性が高いので住む人の入れ替わりが徐々に進みつつある街です。ほら新しい家があっちにもこっちにも建っていますよ。」
  • 「このあたりには高圧線の鉄塔があります。気にされるなら避けた方が無難です。」
  • 「ここは昔、池だったんです。それを埋め立てていますから、地盤が緩いかも知れません。」

普通ならこっちの条件を聞いて、それに合う物件の案内書をいくつか出力してきて簡単に説明したうえでその物件をぱっぱと見せて、行き帰りのついでにスーパーやら小学校やらの前を通って(便利な場所ですよ)…おしまい。ネガティブ情報はわざわざ知らせないってとこなんでしょう。

でも結局Eさんはこの日、数時間もかけてじっくりと街を見せてくれたあと、「参考に」と言って最後に一件だけ、内見させてくれただけでした。

営業所をあとにしたもう夜になってから。

でも、この時の経験は、その後ののさっく夫婦の家探しに大きな影響を与えることになります。

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