初めて、建築家と会う

目次

建築家 Aさん

プレゼンする

いよいよ建築家と会う日がやってきました。ドキドキ。
この日はまず午前中にAさん、お昼からはH夫妻とお話しすることになっています。

Aさんは事務所が同じビル内ということなので、そちらで会うことになりました。
建築家の事務所を見るのが初めてなので、その点でもすでに興味津々です。
事務所に入ってもキョロキョロしてしまうのさっくでした。

そこへAさんが入って来られて挨拶されて名刺をくださるのですが、その名刺デザインがめっちゃカッコ良い(^^)
思わず
「カッコ良い…」
と口に出してしまうほどでした。

話の切り出しとして「ザ・ハウス」の担当者であるTさんが、
「まずこれまでの経過からお話しください。」
とこちらに話を振ったときに
「実は資料を作ってみました。」
とこのために作ったプレゼンテーション資料「こんな家がほしい!」をカバンから出してくると、AさんもTさんもややあっけにとられていました。
「…最初からこういう資料を作られた方は初めてです」
と笑いながら言うTさん。

つっかえながらの説明をやや笑いながらおふたりで聞いておられます。
途中でのさっくがふと我に返って
「…このままこの調子で話を続けていいですか?」
「いいですよ、最後までいっちゃってください」
とAさん。

とは言いながら、真剣に聞いておられる証拠に、たまにつっこみが入ります。
例えば土地候補を上げておきながら、
「どれもまだ見に行けていません」
というと、
「なぜ見に行っていないんですか?」
「…ネットで資料を落としてきただけで、来週以降に見に行く予定だからです」
などなど。

すごくきちんとこちらの話を受け止めて聞いてくださっている感じがしっかり伝わってきて、「とても話しやすい方だなぁ」とずっと感じていました。

Aさんの反応

ややたどたどしいのさっくの説明が終わって。
「本当は今日はもっともっとラフな話をしたかったんです。」
と切り出すAさん。
そうですよね、建築家との相性とか、そういうのを今日は「感じる」ことが大切なのでした。

Aさんからはまず、
「ハウスメーカーではなく、なぜ建築家に設計を頼むんですか?」
ということを質問されました。
「ハウスメーカーの家は既製服です。体に合う人もいますが、合わない人もいます。服でさえ既製品で合う・合わないがあるので、家だとなおさらオーダメードが必要だと思っています。だから建築家に設計をお願いしようと思っています。」
てな感じで答えたと思います。

もう一点、印象に残っていること。
「土地を購入するところからスタートするので、家にかけることができる金額に制限があります。どうしてもどこかで我慢しなければならない点が出てくると思っています。」
とのさっくが言ったときに
「我慢というとネガティブですよね。どこにコストをかけるか判断するという風に考えたらどうでしょう。」
と前向きな考え方を示してくださったことに感動しました。

 これ以外にもいろいろとお話したのですが、不思議なことに何をお話ししたか、あんまりよく覚えていません。
でも話そのものはすごく楽しくて、あっという間に時間が経ってしまったことをよく覚えています。

設計料がいくらだとか、その支払い方法だとか、打ち合わせの場所や頻度などの肝心なことは、すべてTさんがうまくサポートして聞き出してくれました。
のさっく夫婦だけだと、このへんの肝心なところは全然聞かずに終わっていたと思います(^^ゞ

なかでも監理の頻度(つまり、施工中に現場を確認する頻度です)については
「週に一度は必ず見に行きます。」
というすばらしく明快な回答でした。
ありがとうございました>Tさん。おかげで必要なことがちゃんと聞けました。

事務所にはAさんの過去の作品の模型もたくさん置いてあって、それも見せてもらいました。
設計のポイントを説明してもらいながら模型を見ていると、どの家も本当に素晴らしく、ため息が出そうになりました。
またのさっく夫婦が一生懸命に模型を見ているときのAさんの優しい表情も、とても印象に残りました。

そうこうしている内に、予定時間終了でお昼休憩。
午後からはH夫妻と会うことになります。

建築家 Hさん夫妻

ゆっくりご飯を食べて事務所に戻ってきたら、先にHさん夫妻が到着しておられました。
「お待たせして済みません。」
「いえいえ、私たちがちょっと早く来てしまいました。」
とっても優しそうなH夫妻。
建築家のすばらしい家がたくさん載っていた本にはH夫妻の写真も紹介されていて、それが柔らかくてとても良い雰囲気だったのですが、その写真どおりの方々です。

Tさんはもう心得ていて
「こちらからはプレゼンテーションをされますので」
と切り出してくださるので、ふたたび例の資料を取り出すのさっく。
メモを取りながら熱心に聞いておられるH夫妻。

途中でいっぱい質問が出てきます。それに答えているうちに、話しがついつい横道にそれたりもします。
そのやりとりが実に楽しい。

実は今回、新居に求める要件としてのさっくは「オーディオが心おきなく鳴らせる」、「犬を飼いたい」ということを上げています。
H夫妻は、ご主人がオーディオファンで、夫人が犬好き。
これは話が盛り上がらな、しゃーないです(=盛り上がるしかありません)。

建築とはぜんぜん関係ない話が弾んで弾んで。
で、しばらくするとTさんを含めた誰かが
「その話は置いといて」
って感じで元の話に戻す。
でも気が付くと、H夫妻がかつて飼っておられた犬の話で盛り上がっている…
って感じでした。
 
それから、(建築家夫妻に対してこういう言い方は失礼かもしれませんが、)夫妻でボケとツッコミになってるんですね。
ご主人が建築の理念に関してやや大上段に構えたことを言われる。
するとすかさず夫人から
「でもな、住んでる人のことを考えることが一番大事やねんで。」
とツッコミが入る、ってな感じでした。
これがもう面白くて面白くて68

肝心な設計料などは結局またもやTさんからヒアリングしていただき、あっという間に予定時間終了。
帰り際には、H夫妻が設計されたステキな家が載っている本も貸していただきました。

H夫妻が出られた後。
Tさん「今日の建築家との話はどうでした?」
「どちらの方ともすごく楽しかったです。…どなたにお願いするか、本当に真剣に悩みます。」
正直に反応するのさっくに、にっこり笑うTさんでした。

建築家TUさん

次の週末は午前中にTUさん、午後からSさんと会うことになっていました。

朝からザ・ハウスに行くと、いつものTさんの他にもうひとり女性がおられます。
「この方は、施主がどのように建築家と話をするのかを理解しようと工務店さんから研修に来られています。」
とTさんさん。
ずいぶんまじめに仕事に取り組んでいる工務店があるのだなぁと思いました。
この工務店は「じょぶ」といいました。
そのとき、のっさく夫婦は
「じょぶ…申し訳ありませんが、聞いたことがありませんねぇ441。」(←というより知っている工務店などひとつもない)
って感じでしたが、ひょんなことから一ヶ月くらい経って、このときの女性とのさっく夫婦はある場所で再会することになります。

さて、今日のために実はプレゼン資料をヴァージョンアップしてきたのさっく。
前回の資料を出してきたTさんにも
「改版しましたから。」
と、改めて資料を配り直します。
ページ数もさらに増えています。

TUさんとの面談は、残念ながらのさっくには「違うかな」という印象でした。
「建築家と施主の相性が大切」とTさんが何回も言っていた訳がよくわかったように思いました。

TUさんは建築家として決してレベルが低い方ではありません。
それどころか、実にハイレベルな設計をされます。
紳士であり物腰も柔らかく、ものすごくきちんとした方です。

ただ、なんというかのさっく夫婦はあまりにも庶民なので、ちょっとレベルというか目線の高さ(のさっく夫婦が低い)が合わないなぁと思ってしまったのです。
TUさんに設計を依頼すると、なんだか「エエカッコ」をしてしまうと思ったのです。
本当は家ではダラダラしたいのに、そういうことが言い出しにくいとするならば、それはそれで考え物です。

建築家は結局、施主の「生活様式」にまで踏み込まなければ、レベルの高い住み心地を実現する家は作れないように感じていました。
施主から見ると、建築家に「自分たちの生活をすべてさらけ出す」覚悟が必要なのだと思います。

「建築家との相性」という場合には、「自分たちをすべてさらけ出せるかどうか」ということが大きなポイントになるような気がしました。

…などということも考えながら、のさっくはTUさんと話をしていました。

こういうやりとりを横で聞いていた工務店「じょぶ」のスタッフさんが何を学んだのか…は気になります。

建築家 Sさん

この日の午後からは建築家 Sさんと会いました。

Sさんは、のさっくが作ったプレゼン資料をマーカー引きながら聞いておられました。
ときどき合いの手をいれてもらって、とても話しやすい雰囲気の中、楽しくお話しさせていただきました。

作品の写真を持って来られていて、それも見せていただきました。
壁の質感が美しく、やや控えめな照明がとても美しい。
細部への繊細なこだわりをお持ちで、隅々まで建築家の美意識が息づいているような家を設計されています。
派手ではないけれど、陰影があって美しく仕上げられた家です。

中でも印象的だったのが鎌倉市に建てた家のエピソード。
「バルコニーから海が見える家を建てたい。」
というのが施主の希望だったそうです。
施主が家を建てようとしている土地から海が見えるかどうかを確認するため、Sさんはバルコニーとなるべき高さまでクレーン車で上がったそうです。
「風が吹いていてとても怖かったですよ。でもちゃんと海が見えて安心したんです。」
とSさんはさらりと笑顔でおっしゃいます。
施主の意をくみ取るため、そこまでやるってことにのさっくは感動しました。

Sさんは一見、ややゆるめな感じ(失礼)がする方ですが、建築家としての思いは非常に強烈にお持ちだという印象を受けました。
そういう部分に大いに共感できるところがありました。

また、趣味が「音楽鑑賞」というのも、今回ののさっくの思いと一致します。
音楽鑑賞を趣味とされる建築家なら、のさっくのオーディオへのこだわりはきっと理解してもらえるでしょう。

ただし、建築家としての美意識の高さゆえ、「妥協はしない、したくない」というプライドをお持ちで、のさっく家特有の「資金の都合によるコスト切り下げ」(^^ゞには乗ってもらいにくいかもとは思いました。

また、監理は「2週間に一度程度」と言われたのも、正直に言うと少し物足りない感を持ちました。
※Aさんが「週に一度」と言い切っておられたためです。

Sさんともいろいろとお話しして、はやりあっという間に予定時間となりました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次